ダウン症の役者 アイザック・レイヴァ ~ 名作映画『チョコレートドーナッツ』は一度見て欲しい! ~
みなさんは『チョコレートドーナッツ(ANY DAY NOW)』という映画はご存知でしょうか。
母の愛情をうけずに育った障害をもつ少年・マルコと、ショーダンサーのルディ、ゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。
3人が世界の片隅で、家族のように生きようとする物語です。
全米の映画賞で数々の賞を受賞した名作で、1970年代のアメリカ・ブルックリンでの実話をもとに構成されています。日本でもミニシアターで上映され、大ヒットした作品です。
私はこの映画が大好きで、横浜のジャックアンドベティで鑑賞しとても感動してしまい、DVDを購入して繰り返しみています。
今日は、この映画でマルコ役を演じたアイザック・レイヴァについてご紹介します。
子どもの頃から役者になるのが夢だった。
アイザック・レイヴァは同作に出演したのは13歳の頃でしたが、『チョコレートドーナッツ』の大ヒットを受け来日した際に、役者を目指したきっかけについてこのように語っています。
「実は子どもの頃から役者になりたいと思っていました。きっかけはディズニー・チャンネルで、あの夢のような世界で自分もあんなことがやりたいと思うようになりました。」
これを受けて監督は…
「アイザックにこの役への起用を伝えたとき、彼が泣き始めてしまって、”自分の人生の夢がかないました”と言ってくれました。彼が本当に長い間抱えていた夢が叶う瞬間を見ることができたことは僕にとってもすごく感動的でした」
子どもの頃から演技の道にあこがれて、中学校では多くの舞台に出演、その後も演劇学校に通うなどまっすぐに役者になる道を進んできていたそうです。
また、撮影時のエピソードとして、くすっと笑えて心あたたまる内容がお話されていましたので一部抜粋します。
「実はクリスマスのシーンをホームムービー用に8ミリで撮ったことがあったんですが、カメラがうまく作動せず撮り直すことになったとき、ベテランの役者さんたちが“またやらなきゃいけないんですか”という空気のなか、アイザックが“またクリスマスなの!?”と明るく言ってくれて、彼の喜びが他の皆に感染したようでした。
ベテランの役者さんたちも自分たちが愛する演技というのはこういうことなんだと、“疲れた、帰りたい”という気持ちではなくもっと前向きに捉えなければいけないんだと、アイザックによって初心を思い出させてもらったようです」
アイザックの「楽しむ」という姿勢は才能だなぁと思えたエピソードです。
アイザック・レイヴァの出演作品
『チョコレートドーナッツ』では素晴らしい演技をみせてくれたアイザック・レイヴァ。ほかの映画に出ているところも見たい!と思い、調べてみました。
しかしながら、ほかの出演作品を見つけることはできませんでした。
『チョコレート・ドーナッツ』のなかで、ホームパーティで彼がダンスをしているシーンがとても好きなので、ぜひコメディ作品にも出演してほしいなぁ・・!と期待しています。
また映画などへの出演情報が入り次第追記します!
家族のサポート。母親が障害をもった成人のための演劇学校を設立。
子どものころからアイザックの夢を近くで応援してきた母親は、障害をもった成人のための演劇学校を設立しています。
実は、この演劇学校にアイザックが通い始めて、オーディション用のビデオを撮影。それが目に留まり同作の出演が決まったそうです。
障害の有無にかかわらず、夢を追いかけられる環境が整っていることはとても大事ですね。いいお母さま!!
まとめ
アイザック・レイヴァのような役者さん、日本でもきっといるのではないかと思いますが、これまであまり作品でも見かけた記憶がありません。
最近だと、『人間失格』の太宰治の長男役の男の子でしょうか。あまり情報はでてきませんが、ダウン症だろうとなんだろうと、自分がもった夢を追いかけられる世の中であってほしいし、新生児の1000人に1人はダウン症といわれているので、もっと日常的に関わりあえる世の中であってほしいなと思います。
最後に…チョコレートドーナッツは本当に名作なので、アイザックの演技やダンス、そして今回は触れませんでしたが、ルディ役のアラン・カミングの歌声が最高に心打たれるので、ぜひご覧ください!!